診療報酬早わかり講座/点数表がよくわかる

短期間で診療報酬を完全マスター

基礎知識3

レセプトとは?

レセプトとは、「診療報酬請求書(全体)に含まれる患者ごとの診療報酬明細書」のことで、医療機関が保険者に提出するものです。レセプトは、医療機関が患者に対しておこなった診療行為と点数からなります。このレセプトを作成することが医療事務の仕事です。このホームページは、レセプト作成に必要な診療報酬に対する知識を最短で提供するものです。ですが、診療報酬点数は膨大な量で全てを理解することは困難です。大枠の構造と、主要な点数項目をしっかり理解することでほぼ足ります。辞書を丸暗記する必要がないのと同じです。不明な点は逐一診療報酬点数表で確認すればよいのです。また、大枠の構造を理解していないと、そもそも診療報酬点数表のどこを見ればよいか分からなくなります。

レセプトの審査・支払、返戻(へんれい)・照会・査定とは?

医療機関が提出したレセプトを保険者は受け取ったら、審査の上で医療機関に報酬を支払います。ですが、健康保険組合は約1400あると書きましたが、患者ごとに、患者の加入する健康組合へ請求していたら医療機関は疲れ果てます。また、健康保険組合サイドもレセプトが正しいか審査するのは、知識不足で困難です。なので、代行者が必要となります。それが審査支払機関といわれる支払基金と国保連合会です。

なので、医療機関は、この2つの審査支払機関へレセプトを提出します。審査支払機関はレセプトを受け取ったら、それが正しいか審査を行い、過剰請求なら査定(点数を認めないこと)を行い、過剰請求が疑われるがはっきりしない場合はレセプトを返戻(照会)します。医療機関に質問事項とともに差し戻すのです。その上で、レセプトに問題がないと判断された分について、医療機関に報酬(医療費)を支払います。その後、審査支払機関は、各健康組合に医療機関へ支払った費用を請求します。要するに、審査支払機関とは保険者の代行業のようなものです。なので、医療機関からみれば、審査支払機関が保険者のように映ります。

診療報酬独自の用語を覚えよう!

「健康保険」とは、「健康保険システム」のことです。繰り返しますが、保険者とは組合のことで、組合が運用する健康保険システムのことを「健康保険」と呼んでいます。組合員(被保険者)が支払う保険料のようにも思えるし、健康保険証を指しているようにも思えますが、もっと大きな全体のシステムのことです。健康保険つまり健康保険システムについては、健康保険法という法律で規定されています。

「保険適用」とは、医療行為が健康保険でカバーされる、つまり保険の対象となり、診療報酬が支払われるということです。保険適用となっていない有効性が確立していない医療技術などは保険適用外とされます。また、医薬品には「適応症」というのが定められており、使える疾患が定められています。その適応症以外の疾患に医薬品を使用した場合は、保険適用外使用とされ、保険は給付されません。ちなみに、保険適応ではありません。医薬品は適応症ですが、保険は保険適用です。

「保険導入」とは、新しい医療技術を新たに保険でカバーすることです。つまり新たに保険適用とすることです。通常、2年に1回行われる診療報酬改定で、新しい医療技術を保険導入するかが検討されます。

「算定」とは、保険点数をとることです。算定可とは、その医療行為を行ったときに、その診療報酬点数を取ってよいということです。

「手技料」とは、診療報酬点数のことです。その医療行為を行った時の点数のことです。

「診療報酬改定」とは、概ね2年に1回行われ、診療報酬点数表がバージョンアップされることです。医療は進歩しますので、新しい医療技術を導入していかないと、医療現場で使用できなくなります。そこで2年に1回、中医協という厚生労働省の審議会での検討を経て、保険導入されます。また、診療報酬点数の見直しも行われ、点数の引き上げ、引き下げが行われます。さらに、保健医療政策を推進する目的で、点数が設定されます。最近なら地域包括ケアというシステムを推進するために、そうした体制を取っていたら点数をつけるといったことが行われます。

「現行」とは、今の状態ではということです。

「医療技術評価」とは、

先進医療 選定医療 健康保険法

療養担当規則 通知 算定不可 査定 準用

告示の並列等の解釈を覚えよう!

AかBかCかDのように4つが並列の場合  → A、B、C又はD

AとBとCとDの4つの合算の場合     → A、B、C及びD

AかBのどちらかか、 CかDかEのどれかといった場合  → A又はB、C、D若しくはE

AとBの合算と、さらにCとDとEを合算する場合    → A及びB、C、D並びにE

*「若しくは」や「並びに」は、「又は」や「及び」より大きい単位として最後に判断する。